FreeBSD 12.3 RELEASE - ntp サーバ

 クラウディア
1. 概要
2. ports
3. /etc/ntp.conf 設定
4. /etc/rc.conf 設定
5. 起動スクリプトの修正
6. 時刻の同期を確かめる
7. 起動できないとき
8. ログローテーションの設定

1. 概要

 「ntp」についての説明は「ウィキペディア - ntp」を参照ください。

2. ports

 「ntpd」は比較的長い歴史のあるプログラムですが、案外、頻繁に更新が行われます。  デフォルトで「/usr/sbin/ntpd」が存在していますが。  「ports」から、最新版を取得して、更新が発生したらすぐに適用できるようにしておきます。

cd /usr/ports/net/ntp
make config
 オプションがすごく多くなっていますが、デフォルトのままで問題ないかと思います。  一応、オプションを掲載しておきます。
「FreeBSD 12.3 RELEASE」-「/usr/ports/net/ntp」「make config ①」
「FreeBSD 12.3 RELEASE」-「/usr/ports/net/ntp」「make config ②」
「FreeBSD 12.3 RELEASE」-「/usr/ports/net/ntp」「make config ③」
「FreeBSD 12.3 RELEASE」-「/usr/ports/net/ntp」「make config ④」
「FreeBSD 12.3 RELEASE」-「/usr/ports/net/ntp」「make config ⑤」


cd /usr/ports/net/ntp
make
make install
 インストール時のメッセージを掲載しておきます。

Installing ntp-4.2.8p15_3...
Please add

        ntpd_program="/usr/local/sbin/ntpd"
        ntpdate_program="/usr/local/sbin/ntpdate"

to your /etc/rc.conf or run

        sysrc ntpd_program="/usr/local/sbin/ntpd"
        sysrc ntpdate_program="/usr/local/sbin/ntpdate"

to enable ntp from ports/packages instead of base ntp.

===> SECURITY REPORT:
      This port has installed the following files which may act as network
      servers and may therefore pose a remote security risk to the system.
/usr/local/sbin/ntpdate
/usr/local/sbin/sntp
/usr/local/sbin/ntpd

      If there are vulnerabilities in these programs there may be a security
      risk to the system. FreeBSD makes no guarantee about the security of
      ports included in the Ports Collection. Please type 'make deinstall'
      to deinstall the port if this is a concern.

      For more information, and contact details about the security
      status of this software, see the following webpage:
http://www.ntp.org/
 一時期、激しくアップデートされていましたが、落ち着いてきているようです。

3. /etc/ntp.conf 設定

 「ntp」サーバのコンフィグレーションファイルは、

/etc/ntp.conf
 です。  これには、自分の上位となる「ntp」サーバの「IP」アドレスを記述します。  「ntp」サーバには、「stratum」という階層構造があります。  一般サーバの「stratum」は、3 か 4 に位置しますので、上位の「ntp」サーバには「stratum」が2 か 3 あたりのサーバを設定します。  通常は、プロバイダから少なくとも 1 つの「ntp」サーバアドレスを指示してくれているはずです、1 つはそのアドレスを設定します。  こちらを御覧になれば、「ntp」サーバについて情報が得られます。  「ntp」サーバアドレスはできれば 3つくらい選んでください。複数のサーバとの時刻差を計測することでより正確な時刻が得られます。  仮に、3つの「ntp」サーバの「IP」アドレスに「210.173.160.27」「29.250.35.251」「216.239.35.4」を使用するとすれば、以下をコメントアウトし

#
pool 0.freebsd.pool.ntp.org iburst
 最下行に以下のように記述します。

server  210.173.160.27
server  129.250.35.251
server  216.239.35.12
 もし、ログファイルを残したいのであれば、以下の記述を加えます。

logfile         /var/log/ntpd.log
 ログファイルを残す場合、適切なタイミングでローテーションさせるようにします。  ローテーションのさせかたは末尾の方で・・・。  ローカルネットワークアドレスが、「192.168.0.0」で、ローカルネットワーク内のマシンに同期を許可する場合は、以下の記述を加えます。

restrict 192.168.0.0 mask 255.255.0.0     noquery nomodify nopeer notrap

4. /etc/rc.conf 設定

 「ntpd」の起動を設定します。  「root」ユーザで

service ntpd enable

5. 起動スクリプトの修正

 起動スクリプトを書き換えます。  「root」ユーザで

vi /etc/rc.d/ntpd

command="/usr/sbin/${name}"
 の部分を

command="/usr/local/sbin/${name}"
 と書き換えます。  ここまで終わったら、

service ntpd start
 で起動します。

6. 時刻の同期を確かめる

 時刻の同期を確かめるには、

ntpq -p
 というコマンドを使います。再起動直後には、

    remote       refid      st t when poll reach   delay  offset  jitter
=========================================================================
 ntp 仮名1.ne aaa.bbb.ccc.1  3 -   88   64    0    0.000    0.000 4000.00
 ntp 仮名2.ne aaa.bbb.ccc.2  3 u   43   64    1   39.089   -2.978   2.786
 ntp 仮名3.ne aaa.bbb.ccc.3  3 -   85   64    0    0.000    0.000 4000.00
 という、表示になっていると思います。起動後、15分以上たたないと、時刻の同期は完了しません。

    remote       refid      st t when poll reach   delay  offset  jitter
=========================================================================
*ntp 仮名1.ne aaa.bbb.ccc.1  3 -   88   64    0    0.000    0.000 4000.00
+ntp 仮名2.ne aaa.bbb.ccc.2  3 u   43   64    1   39.089   -2.978   2.786
+ntp 仮名3.ne aaa.bbb.ccc.3  3 -   85   64    0    0.000    0.000 4000.00
 という具合に、ホスト名の前に * マークが表示されれば時刻の同期は完了です。  ホスト名の前のマークが同期の状態を示していて以下の意味を持ちます。
 マーク    意味  
'*' 参照同期中であると宣言されたサーバ
'#' 参照可能だが, 同期距離が遠いサーバ
'+' 接続テストに合格し, いつでも参照可能なサーバ. 参照リストにある(好ましい)サーバ
' ' 同期を試み中, もしくはレスポンスがないため, 参照していないサーバ
'x' falseticker検査で, 参照リストから外れたサーバ
'-' クラスタリング検査で, 参照リストから外れたサーバ
'.' 参照リストから外れたサーバ
'o' 参照同期中であると宣言されたサーバ(同期はPPS信号から間接的に行なう)

7. 起動できないとき

 「ntpd」は親サーバと 1000秒以上時刻が離れていると停止します。  そもそも 1000秒以上 時刻が離れた状態からの起動はできません。  そういう場合は

date 1606131627
 と「date」コマンドで時刻を合わせる(上記の例は「YYMMDDHHMI」の形式)か

ntpdate "NTP サーバのホスト名もしくは IP アドレス"
 で時刻合わせをします。  時刻合わせ後にサーバを起動します。

8. ログローテーションの設定

 「/etc/ntp.conf」でログを出力する設定を行っている場合、ログローテーションの設定をしておきます。

/etc/newsyslog.conf.d/ntpd.conf
 を作成して

# logfilename          [owner:group]    mode count size when  flags [/pid_file] [sig_num]
/var/log/ntpd.log                       644  3     100  *     B
 くらいでよいかと思います。  「ntpd」のログは、そんなに多くありませんので、100KB で世代交代、3世代管理にしています。
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