TSS OS のひとつとして が産声をあげたのは、1970年のことです。
UNIX は、AT&T のベル研究所において、数名の手作り OS として開発されました。Ken Tonpson というのが UNIX の創始者であり、MULTICS というプロジェクトに参加していましたが、AT&T がプロジェクトから降りた後 Space Travel という ON TIME で動作するゲームを完成させるために、捨てられていた DEC PDP-7 に書いた OS が UNIX の原型であるという有名な逸話があります。
UNIX は非常にコンパクトな OS であり、その後 C言語で OS の大半を記述しなおし、1980年にはそのソースコードが公開されました。OS のソースコードが公開されるということは、画期的なことであり、その後のオープンソースの隆盛のきっかけとなるとともに、UNIX 自体がまたたくまに広がっていきました。
反面、いろいろな亜流を生み、同じ UNIX といっても様々な、支流が並立することになってしまいました。
2. 年表
1965年
MULTICSプロジェクト
1967年
PDP-7 に UNIX が実装される
1971年
PDP-11 に UNIX が実装される
C言語が開発される
1973年
カーネルが C言語で記述される
1974年
UNIX-Version 5 がソース公開される
カリフォルニア大学バークレイ校で BSD の開発が始まる
1976年
UNIX-Version 6
1977年
営利機関へのライセンス開始
1978年
UNIX-Version 7
1979年
Microsoft XENIX 発表
3BSD 開発(仮想記憶搭載)
1980年
4.0BSD 開発
1981年
4.1BSD 開発(Cシェル)
1982年
System-III 発表
サンマイクロシステムズ社誕生(BSD互換機)
1983年
System-V R1 発表
4.2 BSD 開発(ネットワーク機能搭載)
1984年
DEC社 BSD4.2互換機ULTRIX発売開始
MIT で X-Windowの開発開始
1987年
X11R1開発
1988年
OSF、UI発足
X-Window の開発がMITからXコンソーシアムへ移管
1989年
System-V R4(SVR4)出荷
1990年
X11R4 開発
OSF Motif
1991年
フィンランドのヘルシンキ大学学生生のリーナス・トーバルズにより Linux 誕生(Ver0.01)
1993年
11月「4.3BSD Net/2」を元に開発された FreeBSD 1.0-RELEASE が誕生
ざっとこんな感じですが、UNIX はバージョン7からカリフォルニア州バークレイ校とAT&Tとの大きく2つの支流に分かれてしまいました。
カリフォルニア州バークレイ校の William Jolitz、Lynne Jolitz 氏を中心に開発された フリーの BSD UNIX の原型として、386BSD という OS があります。ただ、そのバグ修正や、バージョンアップが遅かったために、それぞれに 386BSD を原型として、FreeBSD、NetBSD、OpenBSD などの BSD 系の PC-UNIX が登場することとなりました。
というわけで、「FreeBSD」は「386BSD」をベースに開発されています。いわゆる、DOS/V機(これは日本だけの呼び方で、世界に通用する言い方としては正しくは、IBM-PC 互換機)をターゲットとして、安定性を重視した開発がすすめられています。
またこれは、日本だけの特徴でしょうが、「FreeBSD」は、「NEC-PC98」への搭載も依然、続けております。
NEC はこれをもっと応援しても、ばちはあたらないと思うんですが・・・。