- 1. 概要
- 2. git インストール
- 3. リポジトリ取得
- 4. ports 用ツール
- 5. ports の状態を参照する
- 6. ports のアップグレード
- 7. portmaster
1. portsnap
2021年4月以降、「ports」のリポジトリが「Subversion」から「Git」へ移行したので、これまでのやり方と異なります。
リポジトリが「Subversion」から「Git」へ移行したことにより、「ports」の取得・更新の方法が変わりました。
インストール時に「/usr/ports」をインストール対象にしていなければ、「/usr/ports」の下は、すっからかんです。
むしろ、すっからかんの状態にした方が、以下の作業はやりやすいといえます。
2. git インストール
「Git」のリポジトリから取得するためには、「git」が必要です。
ですが、「git」は、デフォルトではインストールされていません。
なんだか、矛盾する話だなぁ。
矛盾ついでに、「ports」がないので、初回は「git」を次ページで示す、「pkg」でインストールすることになります。
次ページに基づいて、「pkg update」した後、「git」をインストールします。
pkg install -y git
3. リポジトリ取得
下記のコマンドで、リポジトリを取得します。
git clone --depth 1 https://git.FreeBSD.org/ports.git /usr/ports
「clone --depth 1」のオプションをつけないと、今までの全履歴こみで取得するので、大量に時間とディスクと通信量を消費するらしい。
下記のようなログが出力されます。
Cloning into '/usr/ports'...
remote: Enumerating objects: 179597, done.
remote: Counting objects: 100% (179597/179597), done.
remote: Compressing objects: 100% (168805/168805), done.
remote: Total 179597 (delta 8826), reused 121481 (delta 6389), pack-reused 0
Receiving objects: 100% (179597/179597), 73.89 MiB | 1.38 MiB/s, done.
Resolving deltas: 100% (8826/8826), done.
Updating files: 100% (142918/142918), done.
以降、「ports」の更新は、以下のコマンドで行います。
git -C /usr/ports pull
4. ports 用ツール
「ports」をメンテナンスするための「ports」、「portupgrade」をインストールします。
「portupgrade」を「make」する前に、「make」のコンフィグレーションファイルを、コピーして編集します。
cp /usr/share/examples/etc/make.conf /etc/make.conf
chmod 644 /etc/make.conf
vi /etc/make.conf
「X11」を使用しない場合、以下の行を追加します。
OPTIONS_UNSET+=X11
WITHOUT_GUI=yes
NO_X=true
後で「PHP」をインストールし、かつ、日本語を使用するのであれば、あらかじめ以下の行を追加しておきます。
OPTIONS_SET+=MBSTRING
「python」は、複数の系列があります。
「python3.7」の系列をメインに使用する場合は、以下のように記述します。
DEFAULT_VERSIONS+=python=3.7 python3=3.7
「ruby」にも複数の系列があります。
2021年4月15日時点では、デフォルトでは「ruby2.7」がインストールされるようです。
「ruby2.7」の系列をメインに使用する場合は、以下のように記述します。
DEFAULT_VERSIONS+=ruby=2.7
「perl5」に関してデフォルトのバージョンと違うものをインストールするのであれば、例えば「perl5.32」であれば
DEFAULT_VERSIONS+=perl5=5.32
上記の記述をしない場合、何になるのかは、インストール後に確かめてみます。
次のコマンドで同時にインストールされるので、その後でみたら、「perl5.32」でした。
$ perl --version
This is perl 5, version 32, subversion 1 (v5.32.1) built for amd64-freebsd-thread-multi
Copyright 1987-2021, Larry Wall
Perl may be copied only under the terms of either the Artistic License or the
GNU General Public License, which may be found in the Perl 5 source kit.
Complete documentation for Perl, including FAQ lists, should be found on
this system using "man perl" or "perldoc perl". If you have access to the
Internet, point your browser at http://www.perl.org/, the Perl Home Page.
「/etc/make.conf」を編集したら、「portupgrade」を以下の手順でインストールします。
cd /usr/ports/ports-mgmt/portupgrade
make
make install
オプションはドキュメントをインストールするかしないかだけですので、どちらでも構いません。
依存するモジュールも同時にインストールされ、モジュールによっては、オプションを聞いてきますが、すべてデフォルトで構いません。
データベースの更新を行う際にルート証明書が必要になります(「Subversion」のときは、そうだったんだがな・・・)。
ルート証明書の仕組みも「ports」で提供されています。
これを更新しておかないと証明書のエラーとなることがあるのでインストールしておきます。
cd /usr/ports/security/ca_root_nss
make
make install
と思ったら、ここまでの手順でインストールされておりましたので、上の手順は割愛します。
「ports」データベースの更新を
portsdb -Fu
で行います。
この「 -F」オプションは、サーバからインデックスファイルを取得してきますが、そのときにルート証明書が必要になります。
先ほどの「ca_root_nss」のインストールは、このために必要だったのでした。
5. ports の状態を参照する
データベースの状態を参照するには
portversion -v
とします。
結果として以下のような表示になります。(あくまでも一例です)
[Reading data from pkg(8) ... - 31 packages found - done]
autoconf-2.69_3 = up-to-date with port
autoconf-wrapper-20131203 = up-to-date with port
automake-1.16.2 = up-to-date with port
ca_root_nss-3.58 = up-to-date with port
db5-5.3.28_7 = up-to-date with port
dialog4ports-0.1.6 = up-to-date with port
gettext-runtime-0.21 = up-to-date with port
gettext-tools-0.21 = up-to-date with port
gmake-4.3_2 = up-to-date with port
help2man-1.47.16 = up-to-date with port
indexinfo-0.3.1 = up-to-date with port
libedit-3.1.20191231,1 = up-to-date with port
libffi-3.3_1 = up-to-date with port
libiconv-1.16 = up-to-date with port
libtextstyle-0.21 = up-to-date with port
libunwind-20200331_1 = up-to-date with port
libyaml-0.2.5 = up-to-date with port
m4-1.4.18_1,1 = up-to-date with port
p5-Locale-gettext-1.07 = up-to-date with port
p5-Locale-libintl-1.31 = up-to-date with port
p5-Text-Unidecode-1.30 = up-to-date with port
p5-Unicode-EastAsianWidth-12.0 = up-to-date with port
perl5-5.32.0 = up-to-date with port
pkg-1.15.10 = up-to-date with port
pkgconf-1.7.3,1 = up-to-date with port
portupgrade-2.4.16,2 = up-to-date with port
ruby-2.6.6_2,1 = up-to-date with port
ruby26-bdb-0.6.6_8 = up-to-date with port
ruby26-gems-3.0.8 = up-to-date with port
rubygem-rdoc-6.2.1 = up-to-date with port
texinfo-6.7_4,1 = up-to-date with port
「=」マークがついていれば、最新版がインストールされている
「<」マークがついていれば、「ports」に新しい版が存在する(更新すべきかも)
ということになります。
次項で述べる「pkg」コマンドで
pkg version -vl "<"
というコマンドを使えば
gmake-3.81_4 < needs updating (port has 3.82)
help2man-1.38.4 < needs updating (port has 1.40.4)
ja-freebsd-doc-20110110 < needs updating (port has 20110828)
libtool-2.20 < needs updating (port has 2.3)
m4-1.4.15,1 < needs updating (port has 1.4.16,1)
perl-5.10.1_3 < needs updating (port has 5.10.1_4)
portupgrade-2.3.8_1,2 < needs updating (port has 2.3.9.3,2)
ruby-1.8.7.302,1 < needs updating (port has 1.8.7.352_2,1)
ruby18-bdb-0.6.5_1 < needs updating (port has 0.6.6)
というように新しい版が存在するものを一覧表示できます。
ここまでの一連の動作を、「crontab」に記述して定期的に「ports」を更新する方法もあります。
が、バックグラウンドでやってしまうと見落とすことがありますので、例えば適当なディレクトリに下記のような「Makefile」を作成しておいて、明示的に「make」する方法もあります。
ports :
git -C /usr/ports pull
portsdb -Fu
portversion -v
pkg version -vl "<"
6. ports のアップグレード
「portversion」で確認した結果、新しいバージョンが出ている「ports」を更新するには、
portupgrade [-オプション] ports名
というコマンドを使用します。
わたしは以下のオプションを使用しています。
オプション | 意味 |
v | 冗長な出力を行う(細かい動きまで見ることができるということです) |
R | 対象の「ports」が依存している「ports」を同時に更新する |
r | 対象の「ports」に依存している「ports」を同時に更新する |
7. portmaster
「ports」でインストールしているアプリケーションの、マイナーバージョンでなくメジャーバージョンの方が変わった、あるいは変えたいとき・・・。
例えば
$ pkg version -vl "<"
ruby-2.1.8,1 < needs updating (index has 2.2.4,1)
となっているとき、「portupgrade」では、バージョンアップしてくれないときがあります。
これを解決するには 「portmaster」を使用します。
インストールは
cd /usr/ports/ports-mgmt/portmaster
make
make install
すぐに終わります。
インストールしておいて
portmaster -o lang/ruby24 ruby23
でアップグレードすることになります。
途中で、進行をきかれることがあります。
たいていの場合な y Enter でうまく進行していきます。
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